国家試験を合格し、やっとスタートに立つことができたと嬉しく思っていたあの頃ですが、正直にいうと患者さんを目の前にして何をやったらいいのかどこから手をつけていけばいいのか不安しかありませんでした。国家試験の勉強全然役に立たないじゃん。そんなことばっかりでした。
そんなことを感じながら3年が経ち、ちょっとではありますが、こんなことから始めていければもっとスッと成長できたのになと思うことを伝えていきたいと思います。
①仕事を全体の流れで考える
一人の患者さんを入院から退院するまでに行う業務を把握する。自分の職場を例に
- 入院時の処方取り込み
- 2階から3階への入棟診療計画書
- 初期評価
- 入棟時機能評価(FIM,BI)
- 実施計画書
- カンファレンスの準備
- 家屋写真の依頼
- リハビリ見学
- 退院時機能評価
- 退院処理
失敗談
自分が今どの時期にいて、何をしなければいけないのかを全体を見ることができず、やるべきことがわからずに退院支援(リハビリ見学の予定をたてるなど)が遅れてしまったことがあります。
自分が今どの流れの中にいるかを俯瞰して見られると余裕を持って仕事をこなすことができます。
②他職種さんとたくさんコミュニケーションをとる
どれだけ自分の臨床が優れていても、最も重要なことは患者さんの日常生活を中心に物事を進めていかなければいけないと実感したことです。
失敗談
・機能評価のFIMを看護師さんから情報を収集するために時間の合間を狙って聞きに行っていたが関係性が作れていない時期が長く、軽々と収集することができず苦労しました。
・OTさんと目標が揃わず、患者さんのリハビリの方向性に揺らぎが出てしまった。
・MSWさんに福祉用具の必要性について提案したかったが、関係が深くない時期は伝えにいきにくかった。
他職種との信頼関係を築くことは仕事をどれだけ楽にしてくれるかを身をもって経験したため、参考になればと思います。
③臨床推論の勉強方法を知る
国家試験と臨床での勉強方法はまるで違うことは色々な方から聞いてはいたからわかってはいたけど、具体的に何が違くてどんな勉強をすればいいのかなんて全然調べもしなかったです。
- 国家試験はある問いに対する答えが決まっている→中殿筋の作用は? A,股関節外転
- 臨床推論ではある問いに対して答えが複数考えられる→バックニーの原因は? A、下腿三頭筋の筋力低下、感覚障害による前足部への荷重困難、下腿三頭筋の痙性など。人によって正解は異なる。
このことから言えること
国家試験では明確に決まった答えが準備されていて暗記や理解した上で解答するのに対し、臨床推論では大量にある仮説のうちの患者に当てはまるものを絞り出す作業を指します。そのため、答えも当然変わってくるということです。
要するに、国家試験では答えを覚えるための勉強が求められていたが、臨床推論では”原因となる仮説”を増やすための勉強が求められてくるということです。
失敗談
国家試験でメンタリストDaigoの超効率勉強法という書籍を用いて受かったという自信から臨床に出ても書籍を生かして勉強すればきっとどんどん成長できるのではないかという淡い期待をしていましたがことごとく期待を裏切られ、どうしたらいいのかわからなくなり迷走してしまいました。
おすすめの勉強法は
例えば、目の前の患者さんの歩行障害の原因(問題点)は何かという問いに対してどれだけ仮説を上げられるかによってアプローチもバリエーションも増えていきます。
バランスなのか、速度(トイレまでの実用的な歩行速度など)なのか、高次脳機能障害なのか、歩容なのかそれぞれでやるべきことが変わってきますが、そこを見落とすと歩容の問題なのにバランス練習など見当違いなアプローチをすることがまあ起きます。というかやってしまいました。
なので仮説を増やす勉強をおすすめします。
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